人生の勝ち負けは生まれた瞬間に決まるのか?

産経ニュース 2009年7月26日より引用
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090726/trd0907260801006-n1.htm

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【2030年】第3部 親を超えられますか(5)富裕層 高い教育や人脈も引き継ぐ

「自分は中学から私立に行かせてもらってよかったと思っている。だからこそ3人の息子にも同じ経験をさせてやりたいと思った」

国内大手航空会社の国際線パイロット、伊藤和彦さん(42)=仮名=は中3の長男(15)と中2の次男(13)を、かつて自分が通った東京都内の私立中高一貫校へ通わせている。区立小4年の三男(10)も同様にするつもりだ。

年収は約2300万円。都区部で12年ほど前に8600万円で購入した戸建てに一家5人で暮らす。自身は東京西部の地方公務員の家庭に育ち、大学も同じ私立の系列校へ進んだ。金持ちの子供が通う「坊ちゃん学校」として当時から有名だった。

「公立小の子供とは何もかもが違った。私は小学校では学年で1、2番だったが私立にはさらに上がたくさんいた。医師や社長の子供が多く、一番仲のよかった子は帰国子女で、家庭教師と塾で勉強して東大へストレートで進んでいった」

公務員の父は自分を医師にしたかったようだが、夢だった機長になった。わが子も「パイロットになりたい」と言い始めているものの、「会社の同僚や大学の同級生を見ていると、やはり東大や一橋、早慶のほうが出世している。息子たちには系列の大学で満足するなと言っている」。

子供3人の年間教育費は、中学の授業料が2人で200万円、三男の塾代が50万円。ほかにテニススクールの受講料が3人で150万円かかり、計400万円。それぞれの子供が受験を迎える年は塾代がプラス100万円となる。

20年後の息子たちについて、伊藤さんはこう語った。

「かつての日本は自分に明確なものがなくても、社会が拾ってくれた。20年後は単なるサラリーマンでは厳しいと思う。医師でも弁護士でも、手に職をつけて自分にしかできない仕事を持ってほしい。私は子供に見返りは期待しない。しっかりとした仕事に就くことで恩返ししてほしい」

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■共通の興味「子供」
伊藤さん一家をはじめ、資産規模が数千万円から数億円の世帯は「富裕(ふゆう)層」と呼ばれる。 野村総合研究所の推計によると、純金融資産が5千万円以上の世帯は平成19年で約361万世帯。国内全世帯の7%に当たり、10年前の1・2倍に拡大した。

かつては単に「金持ち」と呼ばれていたが、イメージが悪いとして「高額所得者」と言い換えられ、 さらに「富裕層」になった。平成17年には流行語大賞の候補にも選ばれている。その年の大賞は郵政選挙の「小泉劇場」とホリエモンの「想定内、想定外」だった。

野村総研の金融戦略コンサルティング一部長、宮本弘之さん(44)によると、わが国の富裕層は3タイプあるという。親から事業や資産を相続した「最初からの金持ち」と、 医師や弁護士、パイロットなど自身の所得を貯(た)めた「コツコツ金持ち」、 そしてIT長者に代表される事業の売却・上場益を得た「突然の金持ち」だ。

富裕層が子供へ引き継ぐものは何か。宮本さんは「ほぼ全員に共通する興味は子供の教育だ。 それも大学名などブランドにこだわらず教育方針や環境を重視する。そのためには海外へも留学させる」とし、こうつけ加えた。

「彼らは人脈でも有利であり、起業の際も親の人脈に相談したり投資してもらったりする。富裕層にとって世襲とは、事業や資産だけでなく高い教育や人脈といった目に見えない資産を引き継ぐことなのです」


■「親も医師」4割
東京大学が平成19年に行った学生生活実態調査によれば、東大生の出身高は私立の中高一貫校が51%を占め、公立校はわずか34%。家庭の年収は950万円以上が52%に上り、昭和59(1984)年の30%と比べて大幅に増えた。家計を支える人の90%は父親であり、42%は企業や官公庁の役員か課長級以上の管理職だった。

同志社大学の橘木(たちばなき)俊詔教授(65)=日本経済論=は「30年前は私立大と国立大の学費差は7〜8倍あり、『貧乏人の子は国立大へ行け』というのが社会全体の理解だった。 国立大なら貧乏でも努力次第で進学できた」と話し、社会の変化をこう指摘する。

「今は私立大と国立大の学費差は1・5倍まで縮まった。私立大との『格差』がありすぎるとして 国立大の学費が上がったからだ。その結果、東大でも中学、高校からカネをかけて教育された子供が増え、親が裕福でないと行けないという風潮になりつつある」

医師になるための学費も突出している。医師は企業のオーナー経営者と並び、わが国の富裕層の2大職種だが、私立大医学部の6年間の学納金は
2100万〜4900万円で、平均3300万円。とはいえ、医師国家試験の合格率は9割前後であり、新司法試験の32%などと比べて投資に見合った“収益”が確実に見込める。橘木教授の調査によれば、医学部生の4割は親も医師だという。

橘木教授は20年後のわが国について、「近年、女性の医学部進学が急増しており、医師同士の夫婦が増えている。人間心理として仕方のないことだが、学歴の似た者同士で結婚する。それが子供の教育、ひいては将来の職業にも影響する。その子供が大人になった20年後、格差は再生産され、固定化している可能性が非常に高い」

親の階層を受け継ぐのは富裕層だけではない。もう一方の層でも、深く静かに「世襲」が進行していた。

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■神前コメント■
この記事、実におもしろい。ぐだぐた長く書いてあるが、要は生まれた瞬間に人生の勝ち負けはほぼ決まるってことだろうか。

確かに、親が高学歴で多くの収入を得ていれば、子供に多大な教育投資をすることは自明であろう。親であれば、自分以上のステータス(学歴・収入)を子供に得てもらいたいものだろう。

私は茨城県つくば市の出身なのだが、親が宇宙飛行士、東大教授、医者、研究者のご子息がゴロゴロいた。

今思えば、異常なまでに教育熱心な自治体であったと思う。ぶっちゃけ、つくば市の公立中学は、今の巣鴨中学くらいの学力はあるんじゃないかと思う。(あくまでも推測だが・・・・。

私の両親はどちらも高卒であったため、幼少の頃から惜しみなく教育費を投じくれる同級生を羨ましく思っていた。このような自治体に生まれたからこそ、学歴やキャリアといったものに幼少の頃から人一倍興味を抱いてきたのかもしれない。

負け惜しみと思われるかもしれないが、もっと子供の頃から「学歴の重要性」や「社会における競争」について親が洗脳してくれれば、現役で東大に入れたのではないか?とすら思っている。

なんだかんだいって、日本は学歴がなければスタートラインにすら立てないのだから。 ドラゴン桜のあのおっちゃんが言っていたように、なんだかんだいって学歴(偏差値)に比例して人生の幸福度は高まる。それは、収入という定量的なもので客観的に示されている。

私は、東大に学歴ロンダリングをしてよかったことがたくさんあった。一つは、「学歴コンプレックス」を解消できたこと。

そして、高学歴である多大なメリットとも言うべき、「質の高い人脈形成」である。なんだかんだいって、東大の人脈ネットワークはすごい。大手一流企業のOB・OG、学術の世界等々。一般の人間(並の学歴)では容易に手にすることができない人脈を手にできたことだ。

私の場合、「学歴ロンダリング」という大問題作を出版したおかげで、マスコミや教育界の方々との人脈も広がった。

記事にも書いてあるように、人脈形成というものは学歴に見合う形で形成されるていくような気がする。

2ちゃんねる就職板に興味深いスレッドがありましたので、紹介します。

中学高校時代の地元DQNの末路 part2
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/recruit/1240493794/l50

このスレット、世襲問題を語る上で参考になる。

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